家賃の上限は決して崩さないで

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家賃の上限は決して崩さないでブログ:30 1 16


母が亡くなってから
父とおれは二人暮し。

父と母とお兄さんとおれの四人家族のうち、
父とおれの仲はすこぶる悪い。

お兄さんが結婚を機に家を出て、母が急逝して、
一番仲の悪い二人が残されて暮らすことになってしまった。

四人で暮らしていた頃は
母やお兄さんが緩衝作用をしてくれて摩擦は避けられていたが、
二人きりになってからというもの
険悪さは赤裸々になっていった。

お互い、物静かな性格だから
取っ組み合いや言い争いなどはしない。

ひたすら無視しあうばかりの冷戦となる…
陰湿なことこの上ない。
どうしても伝達が必要な場合は筆談や、
メモを置くということになる。

「お前の言い分もわかるけれど、お前の半分はお父さんなんだよ」
お兄さんがぽつりと電話越しに言った。

「お前が嫌っているお父さんは、お前の半分なんだよ。
それにおれの半分でもあるんだよ。自分の半分を嫌って気持良いか?
おれの半分は嫌いか?」

おれの半分は父。
大好きなお兄さんの半分も父。
父を嫌うことは、自分の半分を嫌うこと。
父をののしることは、大好きなお兄さんの半分もののしること。

「お父さんにもっと優しくしてやれよ。おれのお父さんでもあるんだからさ」

お兄さんにそう言われて、
心の奥の奥で凝り固まっていた何かが
すっと溶けたような気がした。

父に優しく言葉をかけたら、
おれの半分も優しくされたようで気持良い。
おれの半分が喜んでいる。

父を大切にすることは自分自身を大切にすること、
大好きな家族を大切にすることなんだ!

親と子ども、この不思議なつながりを大切にしたいと思う。
そうして父との暮らしを丁寧に重ねていきたい。
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